テスカトリポカ
黒いテスカトリポカ(『ボルジア絵文書』)
「テスカトリポカ」はしばしば、アステカの文化英雄である神「ケツァルコアトル」のライバルとされます。
世界は、たえず滅亡と復活を繰り返していて、過去に4度、世界は滅亡しているそうで、今の世界は第5の世界に当たるそうです。 「ケツァルコアトル」は、過去に2度、世界を支配していて、「テスカトリポカ」は、過去に1度、世界を支配していたことがあるそうです。 この神話は、今のメキシコの場所にいたマヤ人とトルテカ人の信仰していた宗教で、アステカ文明を築きました。 現在は、この2神が格闘のすえ、「テスカトリポカ」が、「ケツァルコアトル」にお酒を飲ませて、へべれけになったところ、追い出したそうです。 「ケツァルコアトル」は蛇の神様なので、蛇にお酒を飲まして倒すというのは、日本神話のスサノオが、ヤマタノオロチを倒したやり方とよく似ています。 さて、この、テスカトリポカですが、右足が不自由な姿で描かれることが多い太陽(火)の神様なので、ギリシャ神話のへパイストスや、えべっさんに似ている気がします。 この地域から、奥のアマゾンには、世界最大の蛇であるアナコンダが生息しています。 しかし、ジャガーは、その強靭なアゴで、アナコンダさえも捕食するそうです。 そして、ジャガーの体の模様は、宇宙の星たちを表しているのだと思われていました。 その強さと美しさに、人々が、信仰と畏敬の念を持ったのかもしれません。 ケツァルコアトル
ケツァルとは、鳥を意味し、、コアトルとは、蛇を意味します。
ケツァルコアトルとは「羽のある蛇」という意味だそうです。 豊穣と智恵の神様だそうです。 龍の起源だという気がします。 ケツァルコアトルは、2匹の蛇が、ねじれた姿で描かれるときも多く、シュメール神話の「ムシュフシュ」とよく似ています。
そういった共通点から、アステカ文明が、シュメール文明に影響を与えたのではないかと指摘する人もいるようです。 あと、蛇を簡略化して、2本の棒をクロスさせた十字架の紋章が、ケツァルコアトルの紋章で、ケツァルコアトルが、十字架に磔になってるような絵まで存在するようです。 ケツァルコアトルが、テスカトリポカから追い出されたときに、また、戻ってくると予言し、戻ってくる年まで指定したそうです。 ケツァルコアトルは、人間の姿の時は、白い姿の男性だという言い伝えでした。 そして、戻ってくると予言されていた年に、偶然にも、十字架の紋章を付けた白人のスペイン人が征服に来て、それを見た現地人は、ケツァルコアトルが戻って来たと喜んで、何の抵抗もせずに殺されてしまったそうです。 ウーパールーパー(別名メキシコサラマンダー)
ケツァルコアトルの双子の弟「ショロトル」が、生け贄になることを恐れて、川に姿を変えて逃げたのがメキシコサラマンダーだという神話があります。
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テスカトリポカの化身の一つジャガーの神「テペヨロトル」
アステカ文明のテオティワカン遺跡
当時のテオティワカンは20万人を越す人口を擁していたと推定されており、当時のヨーロッパと比較してみると、コンスタンチノープル以外には人口2万人以上に達する都市が見られないことから、テオティワカンの都市がいかに壮大なものであったかがわかります。
天文学や、数学は、桁外れに発達した文明でしたが、「鉄」を知らない文明で、黒曜石のナイフなどを使った石器時代のような生活をしていました。 その為、鉄の武器を持ったスペイン人が、渡来して、簡単に滅亡させられてしまいます。 あと、太陽が滅亡しないように、太陽の神様には、生け贄をささげないといけないと考えていて、ピラミッドの屋上で、生きた人間の胸を、黒曜石のナイフで、切り裂き、生きたまま心臓を取り出して、神様に捧げていました。 この儀式には、さすがのスペイン人も仰天したそうです。 ケツァール
ケツァルコアトルの使いとされる鳥。
手塚治虫の「火の鳥」は、この鳥を元に作られたそうです。 |