太陽神ラー(アトゥム)
この太陽神が、奥さんなしで、二人の子供を作ります。
大気の神シュー(男)と湿気の神テフヌト(女)です。 ↓ |
蛇神アペプ(アポピス)
右の大蛇が「アペプ」。
左の蛇を刀で切りつけているウサギのようなのは、「セクメト」か「セト」のどちらか。 この2神については、あとで説明します。 今回の主役は、右の蛇の方です。 邪悪で、凶暴で、太陽神ラー(アトゥム)の天敵でした。 ラー(アトゥム)の頭の上にいる蛇は、コブラで、コブラは神の使いとして、この大蛇とは、別の扱いを受けていました。 |
月神トート(ヘジュ・ウル)
右のトキの顔をした神様。
もともとは、ヘジュ・ウルというマントヒヒの顔をした神様で、ヘジュとは、「白い」という意味で、「ウル」は、「偉大な者」という意味です。 単独で、石から生まれたという話があるぐらいなので、なんか、孫悟空みたいな感じもします。 猿は、動物の中でも頭が良いことから、「智恵の神」とされ、いつもノートをとっています。 ヒエログリフというエジプトの文字も、彼が考えだしたものだと言います。 あと、昔は、太陽暦ではなく、太陰暦(月が基準のカレンダー)が普通でしたので、時を司るもの「時間の神」ともされます。 太陽神ラー(アトゥム)の補佐官のような役割です。 |
大気の神シュー(男)
そして、この大気の神シュー(男)と、湿気の神テフヌト(女)が、
大地の神ゲブ(男)と天空の神ヌト(女)を生みます。 ↓ |
湿気の神テフヌト(女)
この「テフヌト」は、「セクメト」と、「バステト」と習合して、同じ神様とみなされます。
セクメトは、太陽神ラー(アトゥム)が、自分を崇めない人間を皆殺しにする為に作った殺人兵器でした。 人類を滅亡の一歩手前まで、追い詰めるぐらい暴れまくりました。 世界は、人間の血の海と化し、彼女は、その血を飲んで、踊りまくっていたそうです。 その凶暴性のあまり、太陽神ラー(アトゥム)の天敵、蛇神アペプ(アポピス)も彼女の餌食となりました。 太陽神ラー(アトゥム)にとっては、思ってもない幸運です。 しかし、絶滅しかけた、人間にとっては、たまらないです。 人間に同情した「オシリス」(あとで、説明します)が、太陽神ラーに頼んで、 まずは、「セクメト」に血とよく似た赤色のビール(ワイン?)を飲まし、酔っ払ったすきに、邪悪な心を、抜き取ってしまいます。(日本神話のヤマタノオロチみたい) こうして、可愛らしいネコの神「バステト」の誕生です。 この「バステト」が、湿気の神テフヌトと習合します。 |
オシリス神(男)
長男で、初代エジプト王。
豊穣の神で、顔が、植物の緑色をしている。 人間に穀物の作りかたを教えたり、お酒の造り方を教えたとされます。 セトに暗殺されて、冥界の王となり、この世は、オシリスとイシスの子供とされる「ホルス」に任せます。 最初の死者として、日本で言えば、閻魔大王みたいな存在。 |
イシス神(女)
オシリスの妹であり、妻でもあります。
トビの翼を持ち、様々な魔法が使えたりします。 もっとも、力のある女神。 あとに登場する子供の「ホルス」をセトから守ります。 赤ん坊の「ホルス」を抱いたイシスの姿が、キリスト教のマリア様の聖母像の原型になります。 ホルス神 ↓ |
ネフテュス(女)
イシスの妹で、弟のセトの妻でもあります。
ただし、セトとは、あまり、仲がよくなく、オシリスが好きで、ある日、イシスが留守の時に、オシリスにお酒を飲ませて、姉のイシスに化けて、密通してしまいます。 「アヌビス」は、その時の不義の子だそうです。 だけど、それがばれていないのか、イシスとは、その後も仲がいい。 アヌビス神 ↓ |
セト(男)
ツチブタの頭を持ち、隔世遺伝なのか、雌ライオンの神セクメトとよく似た性格。
疫病、暴風雨、嵐の軍神。 カナンの神、バアル・ゼブルと同じ神だと言われ、キリスト教では、ベルゼブルで、ゾロアスター教では、アフラ・マズターで、日本神話では、スサノオで、ギリシャ神話では、ミノタウロス。 |
ホルス神(男)
オシリスとイシスの子供。
隼の頭を持つ神です。 オシリス亡き後、叔父のセトと王位を争います。 隼や、鷹、鷲などの姿で現されます。 右目は、太陽で、 左目は、月だと言われます。 セトとの争いで、目を負傷した時、 右目はハトホルが、 左目は、トートが癒したと言われています。 |
ハトホル神(女)
太陽神ラー(アトゥム)の娘とされます。
頭に牡牛の角を持った女神です。 ホルスが、セトと王位を争って、勝利します。 ラー(アトゥム)は若いホルスが王位を継ぐことには反対しましたが、その時、ハトホルが陰部をラー(アトゥム)に見せて、笑わせて賛成させたと言われます。 バカみたいな話ですが、日本神話のアメノウズメの話とよく似ています。 ハトホルとネクベト(後で、説明します)を同一視する場合もあるみたいです。 |
アヌビス神(男)
オシリスとネフテュスの子供。
ジャッカルの頭を持つ神です。 体は、土を表す黒色だそうです。 ホルスが表だとすると、アヌビスは裏の役割が多いようです。 月神トートの使いとして、死者の魂の善悪を裁いたり、王様の肉体を滅びないように、ミイラにしたりします。 ギリシャ神話では、ヘルメス。 キリスト教では、第3番目の天使で、目を治す医学の天使としてラファエルと呼ばれています。 |