やっしーの休憩室
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たまに、暇になると絵を描こうと思って描き始めたりします。
最初は、凄く綺麗な絵が描けそうな気がするんですが、いざ、描いてみると意外に難しく、
途中で嫌になって
描くのを諦めたりします。
あなたは、そういう
経験は、ありませんか?
想像の中では、すばらしいものが描けそうな気がする。
だけど、実際はそうはいかない。
人生も、これと同じような気がします。
人生は、一回きりだから、後悔しない生き方をしようと思ったりする。
すばらしい人生を歩めそうな気がする。
だけど、実際は思うようにいかない。
絵でも、上達しようと思ったら地道に努力するしかありません。
努力をした人だけが、自分の想像を形に出来ます
。
しかし、努力は苦痛の道だとも思う。
イチローなんかを見ていると、努力の塊のような人だと感じる。
本人は、好きで努力しているので、苦痛ではないというかもしれない。
だけど、随分と、他の事を犠牲にしなければ、ああは、
成功しないと思う。
寝ても、起きても野球のことばっかり考えているに違いない。
移り気で、飽き性の人にはむいていないなと思うのです。
昔、
フランスのルーヴル美術館に行きました。
世界的に有名な美術館なので、絵画の数も半端じゃなかった。
桁はずれの量の絵画があった。
常時公開している作品は、26.000
点だそうです。
1作品を鑑賞するのに1分かかったとして、不眠不休で全部を見るのに18日もかかってしまいます。
しかも、公開していない作品も含めると、30万点もあるそうです。
恐るべし、ルーヴル美術館です。
それだけの作品が展示されているので、館内も、何階建てにもなっていて無茶苦茶に広い。
作品も、大きいものも多くて、展示してある絵と絵の間隔も離れていて、けっこう歩くのにも
時間がかかります。
当然、駆け足で、絵の前を
通り過ぎて行って、気に入った絵の前だけ立ち止まります。
ルーヴル美術館には、三大至宝があります。
古代のギリシャ彫刻の最高傑作だと言われる「サマトラケのニケ」と、「ミロのヴィーナス」
そして、レオナルド・ダ・ヴィンチの油彩画、「モナ・リザ」です。
展示されているのは、どれも、写実主義という写真のような絵画です。
彫刻もリアルで、迫力のある構図や美しさも感じます。
本当に上手。
とても、真似が出来ない
桁はずれの技術だと思いました。
しかし、実は、おもしろいとは思いませんでした。
技術はすごいのは、分かります。
だけど、写真のある現在、そっくりにかけていても「だからどうしたの?」と失礼な考えを
つい、思ってしまいます。
それだけ、上手に描いたり、彫刻を作ったりするのは凄い事だけど、かなりの努力という名の苦痛が
待っていそうで、
反対に芸術家にはなりたくないなと思いました。
僕は本来は怠け者なのかも。
次の日、飽きもせずにフランスのピカソ美術館に行きました。
ピカソは変な絵を描く人という事しか知らなくて、予備知識もないままに
行ってみました。
そして、感想は‥
衝撃を受けた。
目の前にある絵は、どれも、変な形、奇抜な色
、お世辞にも上手といえないような絵もありました。
あきらかに、手を抜いているなと感じる絵も、いくつもありました。
線をはみ出す事なんか、全然、気にもして
いない。
描きたいものを、描いている。
そういう気がしました。
何しろ、彼は、もっとも作品数の多い画家でした。
一日、だいたい、一作品を生み出す芸術家でした。
いいかげんに描いてあるものも、存在するのは当たり前だと思います。
しかし、そのいいかげんさも、半端じゃない技術に裏打ちされているのかもしれません。
彼が、15歳の時に書いた「科学と慈愛
」という絵なんかは、ルーヴル美術館でありそうな写実的な絵です。
子供に、こんな絵が描けるのかというのが驚きです。
しかし、彼は、こういう絵を描くことを捨てました。
大人になって子供のような絵を描くことに、興味を持ったのです。
普通の人と、逆バージョンです。
一つの絵を見ると、次の絵を見たくなりました。
次の絵は明らかに先程の絵とは全然、違う手法の絵が現れます。
また、次の絵を見たくなります。
次は、どんな絵が現われるのか、
想像もつきません。
楽しかった。
楽しく描いている絵を、楽しく見れた。
そして、ピカソという画家に、興味がわきました。
だけど、帰って、いろいろと調べてみて、ちょっとがっかりしました。
女好きで、浮気性で、天才という威光を使って私生活は好き放題やっています。
生きている時代に認められて売れていた画家なので、モテモテだったようです。
ピカソの関係者からは怒られるかもしれませんが、人間性は最悪だと思った。
売れていない頃の絵も見ました。
暗くて、苦痛が、感じられる絵でした。
青の時代という絵が、そうです。
お金がなくて、一番安い青の絵の具しか買えなくて、こういう青い絵になったと言います
。
やっぱり、見ていても全然、楽しくありません。
それが、バラ色の時代の絵になります。
結婚して、浮気して、何人も女の人を囲って一緒に生活してる。
女性同士で、争わせて楽しんでいる。
無茶苦茶です。
「泣く女
」という絵は、そういった争いで泣いている女性を描いています。
人間性の話は、やめておきましょう。
作品は、すごい。
自分も、絵を描きたいなと思った。
ピカソの絵を見ると、自分も描きたくなります。
はみ出すという失敗や、人から上手だと思われたいという感覚を
捨てる事が、楽しい絵を描く
秘訣のように感じた。
家に帰って、ピカソのような絵を描いてみました。
描けそうな気がしたのに、やっぱり、描けなかった。
真似をしようにも、深みがなかった。
そして、いつものように諦めます。
人生とは、そういうものなのかもしれません。
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サモトラケのニケ
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